社内FAQの作り方|Excel整理表とChatGPTで回答案を作る手順

目次
同じ質問に何度も答えているなら、まず質問と正式な回答を一覧にすることから始めましょう。社内FAQは、Excelで情報を整理し、ChatGPTで読みやすい回答案を作る方法でも準備できます。この記事では小規模なFAQの作成手順を紹介します。自動応答ボットの構築は含めません。
よく聞かれる質問を集める
総務への問い合わせ、社内チャット、引き継ぎメモなどから、繰り返し出る質問を集めます。使ってよい範囲の情報だけを扱い、個人の相談内容や顧客の秘密はそのまま転載しません。「備品が必要なときは?」など、質問の形で書くと読み手が探しやすくなります。
最初は一つの部署や業務に絞ります。「申請するにはどうするか」と「承認には何日かかるか」のように答えが異なるものは、別の質問として残してください。
対象にする質問と、個別相談を分ける
最初の候補には、申請先、資料の保存場所、備品の利用手順など、同じ条件なら同じ回答になる質問を選びます。個別の契約、人事評価、例外承認など、事情を聞いてから判断する質問は、共通回答だけでは解決できないことがあります。その場合は「必要な情報をそろえて担当部署へ相談する」という案内までにとどめましょう。
質問を集める際は、件数だけでなく「初めての社員が迷いやすい」「答えるのに資料を探し回る」といった負担も記録します。担当者の記憶だけで回答を決めず、規程や承認済みの手順を確認することが出発点です。
似た質問をまとめる基準
「パソコンが壊れた」と「マウスを交換したい」は、同じ備品カテゴリでも対応先が異なる場合があります。単語が似ているという理由だけで一つにせず、回答と次の行動が同じかで判断します。一方、「領収書の提出先」と「領収書は誰へ渡すか」が同じ内容なら、一つの回答に検索用語を添える方法があります。
Excelに管理項目を用意する
1行を一つの質問として、次の列を作ります。
ID/カテゴリ/質問/回答案/根拠資料/確認担当者/更新日/公開状態
回答案だけでなく、どの規程・マニュアルのどの箇所を根拠にしたかを記録します。公開状態は「確認中」「公開可」など、自社で決めた表記にそろえます。質問の表現を変えた検索用語を別の列に追加してもよいでしょう。
架空の記入例:
ID:FAQ-001
カテゴリ:備品
質問:マウスを交換したいときは?
根拠資料:架空の備品手順 第2項
確認担当者:総務担当
公開状態:確認中
実際の会社の申請方法を示す例ではありません。自社の正式な資料を確認して置き換えてください。
整理表を運用しやすくするコツ
IDは質問文を変更しても変えない識別子として使います。FAQ-001の回答を改訂したら、新しいIDを増やすのではなく、更新日と変更内容を記録します。別の質問を追加するときに新しいIDを付けると、問い合わせ記録から追いやすくなります。
回答が複数手順に分かれる場合は、同じセル内でも順番を明確にします。「担当へ相談してください」だけでは、社員が何を準備すればよいかわかりません。相談先、連絡方法、必要事項を正式な資料で確認し、書ける範囲で添えてください。
根拠資料の欄には、ファイル名だけでなく章・項目名や版を残します。URLを貼る場合も、確認担当者以外の社員が開けるか点検しましょう。自分だけが閲覧できる個人フォルダーを参照先にすると、FAQを読んだ人が途中で止まります。
ChatGPTに回答案を作ってもらう
会社が認めた環境で、入力を許可された資料だけを渡します。全文を送る必要がなければ、該当部分だけに絞ります。OpenAIは、目的や背景を具体的に伝え、出力を見て指示を調整する方法を案内しています。OpenAIのプロンプトガイド
次の文をコピーし、[ ]を埋めて使ってください。
社内FAQの回答案を作成してください。
質問:[対象の質問]
根拠資料:[入力を許可された資料の該当部分]
出力:結論、手順、確認が必要な点、根拠となった箇所
条件:資料の範囲だけで答える。申請先、URL、期限、例外条件を推測で補わない。答えが見つからなければ「資料からは確認できません」と書く。社員が読める平易な表現にする。
架空の入力資料が「備品交換は、社内申請フォームで品目と理由を記入して総務へ申請する」なら、回答案は「社内申請フォームに品目と理由を記入し、総務へ申請してください」と整理できます。資料にない承認日数は書き足しません。この回答は説明用の作成例です。
出力をExcelへ戻すときの注意
ChatGPTから得た回答案は、すぐに「公開可」にしません。元の質問IDと対応させて整理表へ戻し、確認担当者が根拠と照合します。複数の質問を一度に処理するときは、指示文に「各回答の先頭に元のIDを付ける」と加え、質問の数と回答の数が一致するか確認してください。
根拠が不足した質問には、新しい規則を作って埋めるのではなく、「確認待ち」と記録します。規程の書き方が曖昧な場合は、FAQ側で勝手に意味を決めず、所管部署へ確認しましょう。
根拠と照合してから公開する
AIに「推測しない」と指示しても、誤りを防ぎ切れるわけではありません。確認担当者が次を点検します。
申請先、期限、対象者が根拠資料と一致する
条件や例外が抜けていない
個人情報や公開できない内容が含まれていない
リンク先を対象社員が閲覧できる
根拠資料の改訂日を確認した
確認できない回答は、公開状態を「確認中」のままにします。AIの出力には誤りがあり得ることも、利用者間で共有しておきましょう。OpenAIの正確性に関する説明
作ったFAQを使って試す方法
公開前に、作成に関わっていない社員へ、架空の困りごとを一つ渡して探してもらいます。例えば「貸出備品を返したい」という場面で、目的の質問が見つかり、その回答だけで次の行動がわかるかを確認します。これは評価方法の提案で、効果を保証するものではありません。
記録する項目は次のように整理できます。
探した言葉:社員が実際に使った語句
見つけた質問ID:目的の回答へ到達したか
読んで迷った部分:略語、条件、手順など
次に取ろうとした行動:正しい窓口や申請先か
修正案:質問名、検索用語、回答の説明など
「わかりやすかったですか」だけを聞くより、実際にどの回答を選ぶかを見ると、直す場所を特定しやすくなります。複数の回答に同じ質問がある場合は、どれを正として使うかも決めてください。
よく起きる問題と直し方
回答の内容が古い
根拠資料が更新されたのにFAQへ反映されていない可能性があります。資料の管理担当者とFAQの確認担当者を結び付け、規程変更時に確認する質問IDを残します。日付だけを新しくして、内容を確認したように見せないことが大切です。
質問は見つかるが解決しない
回答に対象者、前提条件、必要書類、次の操作が欠けていないか確認します。「申請できます」と書くだけでは、どこから進めるかわかりません。必要な案内を足す一方、個別判断が必要な例外は相談先へつなぎます。
AIが存在しないURLや規則を作った
出力から削除して、根拠資料の範囲へ戻します。リンクが開けるかだけでなく、リンク先が本当に説明を裏付けているかを確認してください。生成された出典をそのまま正しいとみなさないようにします。
更新の担当者とタイミングを決める
FAQは作成後も、規程や手順の変更に合わせて見直します。問い合わせが解決しなかった場合の連絡先も添えると、誤った回答で作業が止まることを避けやすくなります。
更新を担当する人が異動した場合に備え、確認方法と公開までの流れも引き継ぎます。「誰でも編集できる」と「誰が最終確認するか」は別の話です。誤った内容を見つけた社員が連絡できる窓口と、修正までの間に公開を止める判断者を決めておくと運用しやすくなります。
文書型FAQから検索システムへ進む判断
一覧表が読みにくくなったら、まずカテゴリや質問名を整理し、それでも解決しない問題を洗い出します。「部署によって見える回答を変えたい」「回答の根拠を表示したい」「未回答の質問を記録したい」などの要件があれば、検索システムやチャットボットの検討材料になります。質問文と回答の整理を飛ばして、ツールだけで解決しようとしないことが重要です。
まずは一覧表で運用し、質問数や閲覧する部署が増えたら、検索機能、閲覧権限、承認履歴など必要な要件を整理してください。自社の情報管理や既存システムとの連携を検討する方は、Miyabeeの受託開発をご覧ください。