ChatGPTで営業提案書を作る方法|構成案とヒアリング項目のテンプレート

目次
ChatGPTで営業提案書を作るときは、文章を書き始める前に、顧客から確認できた事実と、まだ確かめていない仮説を分けます。そのうえで「提案の目的」「章立て」「各章に必要な根拠」を作ると、もっともらしい説明だけが並ぶのを防ぎやすくなります。
この記事では、商談メモから提案書の構成案を作り、不足する情報をヒアリング項目に戻す手順を紹介します。資料の体裁を整える前に、何を提案し、何を決めてもらうかを明確にしたい営業担当者向けです。本文の顧客・数値・提案例はすべて架空で、実際の導入実績や効果を示すものではありません。
最初に提案書で決めてもらうことを一つに絞る
「自社サービスを知ってほしい」だけでは、載せる内容が増え続けます。次の商談で顧客に何を判断してもらうかを先に書きます。
現状調査を進めてよいか
小さな試行の対象業務と担当者を決められるか
複数案のうち、詳細見積もりに進む案を選べるか
初回商談の段階で、正式発注の判断に必要な情報がそろっているとは限りません。必要な承認段階を飛ばさず、今回はどこまで判断できるかを提案の範囲にします。ChatGPTへの指示にも「今回は現状調査の合意を得るための資料」と明記してください。
OpenAIの公式ガイドは、必要な背景と具体的な指示を渡し、結果に合わせて調整する方法を案内しています。以下は営業資料でその考え方を使うための作業テンプレートです。
手順1 商談情報を事実・仮説・未確認に整理する
事実には根拠と確認日を付ける
商談メモをそのまま貼ると、顧客の発言、自社の解釈、将来の希望が混ざる場合があります。次の項目を埋めてから入力しましょう。個人名や機密情報は、会社が認めた利用範囲で扱います。
記入する5項目と架空の記入例
確認済みの事実:誰に、いつ、何を確認したか。例「10月1日、業務責任者が『依頼は現在メールで受領』と説明」
顧客の希望:実現したい状態。例「担当者不在でも依頼の状況を確認したい」
自社の仮説:事実から考えた可能性。例「個人受信箱で管理していることが確認漏れの一因かもしれない」
未確認:判断に必要だが分からないこと。例「月間件数、既存システムの制約、承認者、予算」
提供できる範囲:社内で確認できた自社の対応。例「現状業務の整理と試行案の設計。開発範囲は別途確認」
「対応が遅いと言っていた」を、勝手に「毎月100時間の損失」と置き換えてはいけません。時間や件数が必要なら、測定方法を提案するか、未確認欄に残します。顧客の希望も、受注側が保証する成果とは区別してください。
根拠の番号を付けておく
確認済みの事実をF1、F2、自社資料をS1、S2のように番号で管理すると、後で提案書の説明を元情報に戻して確認できます。引用可能か不明な顧客発言や、他社案件の事例は、承認が取れるまで対外資料に入れません。
手順2 構成案だけをChatGPTに依頼する
いきなり10ページ分の文章を作るより、最初は見出しと根拠を確認します。以下のプロンプトをコピーし、角括弧を置き換えてください。
営業提案書の構成案を作ってください。
読み手:[顧客の業務責任者と決裁者]
今回判断してほしいこと:[現状調査の対象と進め方への合意]
想定分量:[6ページ]
確認済みの事実:[F1、F2の番号を付けて記入]
顧客の希望:[記入]
自社の仮説:[事実と分けて記入]
未確認事項:[記入]
自社が提供できる範囲:[承認済みの内容]
使用できる自社資料:[S1など。なければ「なし」]
各ページについて「見出し/伝える要点/根拠の番号/不足情報/顧客への確認質問」を出してください。
事実・仮説・提案を明確に分けてください。
売上向上率、削減率、導入実績、顧客名、価格、納期、保証を作らないでください。
不明な項目は「要確認」とし、断定に必要な根拠がない主張は加えないでください。
今回は本文を長く書かず、構成案のみ作成してください。出力を見たら、会社紹介や機能説明が続いていないか確認します。顧客の課題と、次に決めたいことに直接つながらない章は、別紙に移すか削ります。
架空の例で見る提案書の6ページ構成
「依頼状況を複数担当者で把握したい」という相談に対し、まず現状調査を提案する例です。共有ツールの導入が正解と決まっているわけではありません。
1. 提案の目的:依頼の受付から完了までの流れを確認し、改善対象を決める
2. 現状の整理:確認済みの運用と、顧客が困っている場面を示す
3. 課題の仮説:担当者不在時に状況が分かりにくい理由を、未検証と明記して整理する
4. 調査の進め方:対象業務、確認する資料、担当者への質問、取り扱う情報を示す
5. 調査後の判断:運用の見直し、既存機能の利用、新規ツールの検討など、比較すべき選択肢を示す
6. 今回決めること:調査範囲、窓口、次回確認の進め方について合意を求める
この段階で「管理ツールを入れれば確認漏れがなくなる」と書くと、原因の調査と解決策の選択が飛ばされます。「確認漏れの起きる条件を調べ、対応案を比較する」までなら、未検証の効果を約束せずに次の作業を提案できます。
費用や日程が提案の判断に必要な場合は、社内で確認して追記します。未確定のまま「別途」とだけ書くのではなく、「何が分かれば提示できるか」を添え、顧客に確認する項目を明確にしてください。
手順3 不足情報をヒアリング項目に戻す
答えによって提案が変わる質問を優先する
質問を大量に並べると、商談の時間を使っても判断が進まない場合があります。たとえば「現在の依頼件数」「どの時点で困るか」「既存ツールでできない理由」「必要な権限」「誰が承認するか」は、構成や実施範囲に影響します。
構成案の未確認事項から、次回商談で聞く質問を最大7件に絞ってください。
各質問に「目的/回答によって変わる提案内容/優先度」を付けてください。
誘導的な質問を避け、現在の事実を確認する質問と、希望を聞く質問を分けてください。
数値が不明な場合は、推測値を求めず、記録や観察で確認する方法も提案してください。「自動化すれば便利ですよね」より、「担当者が不在のとき、依頼の進捗をどこで確認していますか」のほうが、現在の運用を把握しやすくなります。「月間件数を教えてください」に答えられない場合は、対象期間の受付記録を確認できるか相談します。
回答が得られたら事実一覧を更新する
顧客の回答を反映するときは、前の仮説を自動的に残さないようにします。「F3を追加し、仮説H1は根拠と矛盾するため削除」など、変更を指定してください。新しい事実に合わせて構成を見直してから、各章の本文へ進みます。
手順4 本文化した後に営業上の約束を確認する
本文は一章ずつ依頼すると確認しやすくなります。「承認した構成と事実番号だけを使い、200字程度で説明」などと指定します。AIの出力を「顧客へ提出できる完成品」と扱わず、主張と根拠の対応を見直してください。OpenAIも架空の情報や誤った回答が生じる可能性を説明しています。
顧客の発言が、自社の保証に変わっていないか
未確認の効果や削減率を数字で示していないか
実績、認定、他社名に使用許可と根拠があるか
価格、税、追加費用、対象範囲が承認内容と一致しているか
納期と前提条件、顧客側の作業が明確か
次に判断してほしいことが一つの流れで伝わるか
よくある失敗と修正の指示
提案が抽象的なら、「効率化」「最適化」などの語を増やすのではなく、「誰が、どの業務で、何に困るか」を事実一覧に足します。根拠がなければ、その項目を質問に戻します。
自社サービスの説明に偏る場合は、「各章が顧客のどの事実・希望に対応するかを示し、対応しない章を削除」と依頼します。見栄えのための章を増やさず、顧客が比較・判断するための材料を優先します。
効果を断定された場合は、その文だけを弱めるのではなく、元の数値や主張がどこから来たかを確認します。根拠がなければ削除し、「試行で確認する項目」に移してください。
営業提案書は、情報が増えるたびに構成を調整する文書です。ChatGPTを使って骨子と不足情報を行き来し、確認済みの事実を土台に、次の商談で話せる内容に仕上げましょう。業務に沿ったAI活用を学びたい方は、Miyabeeのリスキリング支援をご覧ください。